職場での熱中症を予防しよう!対策と対処法
今年は観測史上一番早い梅雨明け。
異常気象によって酷暑が予想されます。
暑い中での労働は疲れがたまるだけではなく、熱中症のリスクも高まります。
熱中症というと屋外作業で発症すると思うかもしれませんが、屋内でも発症する可能性があります。
オフィスワークだから大丈夫と油断するのは禁物です。
熱中症にならないようきちんと予防をし、万が一従業員が熱中症になったときのためにも、応急処置の方法を理解しておきましょう。
熱中症ってなに?
熱中症とは、高温多湿な環境に長い時間いることで体温調節がうまくできなくなり、体内に熱がこもってしまう状態です。
私たちの体は体温が高くなると血管を広げて体内の熱を放射したり、汗をかいて蒸発したりします。
しかし、気温が高いと体内の熱は放射されず、湿度が高いと汗が蒸発しなくなります。
気温が低くても、湿度が高いと熱中症になりやすいので注意してください。
また、急に暑くなると体が暑さに慣れていないため、例年熱中症を発症する人が多くなります。
熱中症の症状
熱中症の症状は、軽度なものから重度のなものにわけられます。
軽度な症状は、めまい、立ち眩み、大量の発汗です。
何かおかしいと思って放置していると、頭痛や吐き気などの症状が現れ、手足が思うように動かないなど重度な症状まで現れます。
精神的な症状がみられることもあり、自分では異常だということに気づけなくなります。
軽度なものは病院に行かなくても、応急処置で対応できます。
しかし重度なものになると病院への搬送を必要とし、命にもかかわってきます。
軽度な症状が現れた時点で対応することが大切です。
特に意識がもうろうとしていたり、言動がおかしかったりする人がいたら、自分では気づけないためまわりが気づいて対応しないといけません。
職場で熱中症を予防するポイント
社内全体で熱中症に対する正しい知識を共有し、従業員ひとりひとりが体調管理を意識するようにしましょう。
まずは熱中症にかかりにくい環境にすることが大切です。
オフィスワークと屋外での作業の2つにわけて予防策を紹介いたします。
オフィスワーク
温度管理
屋内でも、夏は温度が高くなります。
エアコンや扇風機を使ってオフィス内の気温を適温に保ちましょう。
事務所衛生基準規則という法律では、安全で快適に働くために、エアコンの温度設定を17度以上28度以下と定めています。
しかし、エアコンの温度を28度にしたから大丈夫というわけではありません。
エアコンの設置場所によっては30度を超える場所が出てくる可能性もあります。
エアコンの設定温度ではなく、気温を意識して設定温度を調整したり、サーキュレーターを使用したりしてください。
夏は日が長く気温が高い時間が続くので、こまめに室温を確認しましょう。
水分補給
汗をかくことが少ないからと言って、水分補給が必要ないわけではありません。
室内でじっとしているだけでも、水分を失います。
汗をあまりかいていないのであれば塩分補給は必要ありませんが、水分は意識して補給するようにしてください。
屋外での作業
温度管理
屋外で作業する場合には、どうしても温度管理が難しいです。
最近ではさまざまな熱中症対策グッズが販売されており、空調服が特に効果を期待されています。
服についている小型ファンを回し、服の中に外気を送ることで体の表面の汗を気化させるものです。
体温上昇を防ぐことが出来るので、熱中症予防には効果的です。
また、涼しい休憩室も用意しましょう。
気温の高い外で働いたあとでも、涼しい休憩室で休むことでクールダウンができます。
水分補給
屋外作業では大量の汗をかき、水分と塩分の両方を失ってしまいます。
水やスポーツドリンク、塩飴などをいつでも補給できる環境を整えることが大切です。
水分を大量に摂れば大丈夫と思っている方も多いので、塩分も摂取するよう注意喚起をおこなってください。
熱中症の症状が現れた場合の対処法
万が一従業員が熱中症のような症状を発症し、呼びても反応しない場合には、すぐに救急車を呼びましょう。
救急車を待っている間と、呼びかけに反応した場合には、すぐに涼しい場所へ移動し体を冷やし、水分補給をしてください。
水は一気に飲まずに少しずつ飲みましょう。
体を冷やす場合には、首回りやわきの下、太ももの付け根などを重点的に冷やしてください。
呼びかけに反応しても、自力で水が飲めなかったり、症状が強くて動けなかったりする場合には救急車を呼びましょう。