EAPとは

EAP(従業員支援プログラム)を5分で解説致します

従業員のメンタルヘルス対策にEAPを導入される企業が増えています。このページではEAPとは何かを人事担当者の皆様が5分で全体像をご理解頂けるようにポイントをまとめていますのでご活用ください。厚生労働省による調査では、労働者の60%以上が職業上強いストレスを感じていることが示されています。組織内の事故やモラールの低下、コンプライアンス問題から起こる組織のリスクを考えると、EAP導入企業とそうでない企業では今後大きな差が出てくるでしょう。

EAPとは

EAPとはEmployee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略で、働く人の心の健康をサポートするメンタルヘルスケアのプログラムとして高い評価を得ています。企業が自力で社内にEAPを設置するケースと、外部のEAP専門会社に依頼して導入するケースがあり、いずれもその効果が注目されています。厚生労働省による調査では、労働者の60%以上が職業上強いストレスを感じていることが示されています。事実、労働者の自殺問題、メンタルヘルスに関する労災問題など、企業や社員、その家族にとって、メンタルヘルス問題はもはや避けては通れない重要課題になっています。組織内の事故やモラールの低下、コンプライアンス問題から起こりうる組織のリスクを考えると、EAPを導入している企業と導入していない企業では長期的に大きな差が出てくるでしょう。

EAPの歴史

EAPの歴史は、産業革命以前の米国にまでにさかのぼります。当時の米国の社会問題として、飲酒が悪癖とされており、1920年には飲酒そのものを排除する禁酒法が成立しました。しかし、結局アルコール問題を抱えた個々の状態は改善せず、本質的な解決には至りませんでした。1935年、ビルとボブという二人の男性によってAA(Alcoholics Anonymous)が誕生します。アルコール依存症の当事者が仲間とともに自らについて語るAAによって、医療施設で改善しなかったアルコール依存症が回復しはじめたのです。AAの誕生は、アルコール依存症者に回復と、雇用継続の道を開き、職域でのアルコール問題対策に大きな影響を及ぼしました。仲間と「語り合うこと」「つながること」を通して個々の主体性を取り戻すこの取り組みが、EAPの起源です。組織の労働力を支える力を持つこの活動は、やがて多くの企業や政府機関のなかにまで導入されていきました。

メンタルヘルスとの違い

EAPは、米国ではとてもポピュラーな制度で、「フォーチュン」に記載の上位500社の95%、上位100社では全企業に導入されています。日本でも、いち早く EAPを導入した企業では、従業員による事故やミスが減り、欠勤などによる労働損失の減少が見られます。そして、職場環境が改善され、従業員の生産性が向上したということも実証されています。EAPへの相談内容は、個々のストレスや病気のケアに留まるものではなく、ストレス・人間関係・キャリア問題・精神疾患・法律問題・経済的な問題など幅広い内容となっています。また、パフォーマンスを下げるネガティブ要因(ストレス、ハラスメント、トラブルなど)への関わりと共に、パフォーマンスを高めるポジティブ要因(コミュニケーションスキルやマネジメントスキルの向上、キャリアデザイン、ワークライフバランス)などの取り組みも行います。どのような問題に対しても、社員と企業の両者のパフォーマンスの改善、向上を最終目標として対応するのが、EAPの特徴です。

EAP導入による企業のメリット

企業がEAPを導入するメリットは、従業員の生産性向上です。メンタル不調を抱える従業員は、その生産性が著しく低下してしまいます。また、上司や同僚など周辺の方への負担も増大してしまうため、組織全体の生産性にも悪影響を及ぼします。メンタル不調者に対して早期の対応をするだけでなく、日々、元気に働く社員がメンタル不調にならないための施策を取ることによって、企業の生産性低下による損失を未然に防ぐことができます。

リスクマネジメントとしてのEAP

前述の通り、もともとEAPは、アルコール依存、薬物依存が深刻化した米国で、業務に支障をきたす社員へ対応するために発達したものです。日本においても1980年代後半から少しずつ浸透してきています。社員の抱える問題、職場の抱える人間関係などの問題を個人的問題として処理して来た日本の企業でも、これらの問題が出現したときの対応コストをリスクマネジメントとして考え、あるいは、さらに一歩進んでCSR(企業の社会的責任)の一貫と考え、EAPを導入する企業が増えてきています。

企業の安全配慮義務

安全配慮義務とは、事業者が労働者に対して責任を負う雇用契約上の債務です。事業者が事業遂行のために施設管理や労務管理をする上で、労働者の生命及び健康などを危険から保護するよう配慮すべき義務のことです。その範囲は「労働に密接な関連を有する健康障害を起こさないよう配慮する」と拡大する傾向にあります。社員の安全を確保するために、物理的環境面の整備はもちろん重要ですが、社員の精神面も配慮する必要性があります。
うつ病や自殺の増える昨今、メンタルヘルスの予防は、社員の健康配慮上の最重要課題とも言える重要課題です。

厚生労働省の指針

厚生労働省が定める「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中では、メンタルヘルス対策推進のために「4つのケア」が重要とされています。4つのケアとは、以下となります。
① 労働者自身が自らのストレスを予防・軽減する「セルフケア」
② 管理監督者の行う「ラインによるケア」
③ 産業保健スタッフ等によるケア
④ 事業場外の専門機関の支援を受ける「事業場外資源によるケア」
EAPは、4つ目の「事業場外資源によるケア」に当てはまり、私たちアース産業医事務所のEAP従業員支援プログラムはこちらになります。貴社従業員は自分の悩みを社内の人に知られることなく、私たちEARTHの専門家に相談することができます。